宇宙消失

2014年05月12日
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読書
お気に入りな本のつまみ読み、再読が大好きな僕は今日も大好きな本を読み返した。

その本の名前は「宇宙消失」
グレッグ・イーガンが1992年に書き上げた本作。
俺選・あの世に持って行きたい本10冊に確実にランクインされるであろうこの本を紹介したい。
(今日もB+ライフとは真逆な本をピックアップ!)
まずこの本の始まりの一文を引用したい。

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たいていの依頼人は、通常レベルの解決策で満足する――脳神経を用途別結線(モディフィケーション)して脳自体にデコード機能をもたせ、デコード用再結線(モッド)の暗号書記(ニューロコム社製、5999ドル)は仮想声帯オプションつきなので、おれは通話中に声を出す必要がなく、これで送受信ともに秘密保護が保証されている。
 だが、これでもまだ完璧ではない。脳自体も、微弱な電場や磁場を漏洩しているからだ。
フケほどの大きさの超電導電波探知機を頭皮に埋め込むだけで、仮想知覚を構成する神経データ流を盗聴できるし、瞬時に相応の画像や音声に変換もできる。
 そこで、夜間交換機(アクソン社製、17999ドル)の出番。
このモッド用の脳神経再結線(インストール)をおこなうナノマシンは、ユーザー固有のスキーム
――神経接合部で使われている個々人特有の暗号(コード)――
をマッピングするのに六週間をかけるが、いったんそれが完了すれば受信者(ユーザー)は受信した信号を脳内で五感に翻訳する必要すらなくなるのだ。
つまり、発信者の伝えたい用件を、受信者は頭の中で発信者の顔がしゃべるところを思い浮かべさえせずに知ることができ――
一方、たとえ頭皮で通話の電磁気的痕跡をひろっても、それは他人には意味不明かつ翻訳不能なものにしかならない。
唯一問題なのは、人は普通、目覚めているときに情報が五感を介さずいきなり頭の中に出現すると、見当識を喪失し、最悪の場合はトラウマとして残ることだ。
だから、このモッドで通話を受信するのは、睡眠中に限られる。
といっても、夢を見るのではない。目覚めると、通話内容を知っているのだ。
たとえばそのときは――
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ああ、SF!
なんとうサイエンスフィクション!
発表されて20年以上経った今でも色褪せることのないSF感!
これだけ書いてストーリーは何一つ進んでいない!
それに僕もストーリーのあらすじを一文字たりとも書いてない!
特にモッドの販売元と値段を明記しているところが非常に好ましい。

サイバーパンクがテクノロジーに振り回される人類を書いているなら、宇宙消失のようなポストサイバーパンクはテクノロジーを振り回す人類を書いているんだと勝手に思い込んでいる。

あらすじなんて書かなくても、これが良いと思う人は良いと思うハズ。
是非皆さんに読んでもらいたい小説です。


宇宙消失 (創元SF文庫)





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番号なし
Posted by 番号なし
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